亀田製菓元社長の古泉肇氏の講演を拝聴してきました
皆さんも亀田製菓はご存知ですよね?
柿の種やハッピーターンで毎日(毎晩)お世話になっている方も多いのではないでしょうか(^^♪
とても身近に感じる企業ですが、亀田製菓は東証プライム(2220)に上場する新潟のグローバル企業です。今後もRiceInnovationCompanyとして海外事業を加速するようです。
先日、亀田製菓の2代目社長の古泉肇氏の講演を拝聴する機会がありました。まさに父親の創業者(栄治氏)の創業の理念を受け継いで、グローバル企業である今日の亀田製菓を築きあげた経営者です。
今回はそのお話から自社に成長戦略に活かせるヒントを探ります。
創業守成孰難
「創業は易く、守成は難し。」と言います。
亀田製菓の創業の心は、「戦後間もない時代に、男性は酒飲みで気晴らしができるが、嫁、子供には楽しみが無かった嫁、子供への楽しみを作ろう」と、創業者である古泉栄治が水飴づくりを始めたことだそうです。それが当時の亀田郷農民共同委託加工所(当時は、貝塚の飴工場と言われた)であり、後の亀田製菓となったそうです。
地域の人を想う創業の心で始まった会社ですが、創業の心を引き継ぎ、事業を継続することはそれ以上に難しいと感じてきそうで、成長を遂げてきた原動力が「理念と方針を貫く」ことと「グローバルへの挑戦」だったそうです。
理念と方針の制定
当時、戦後の復興が進んでくると、収益を得て会社を解散する話もあったそうで、ここで会社の大義である、2つの経営理念と3つの経営基本方針を決めたそうです(社是は以前からあったのだと思います)。
亀田製菓の社是、経営理念、経営方針は下記の通りです。
ホームページには理念体系として(亀田製菓ホームページ|理念体系)掲載されており、会社の存在価値について端的に、そして、ゆるぎない価値観として書かれています。この理念を貫き通したからこそ、今日の亀田製菓があるのだなとあらためて理解することができました。
1.社是
製菓展道立己(せいかてんどうりっき)
菓子の製造販売を業として、その道を展く、即ち製造技術、商品開発技術、
市場開拓を始め経営諸般の研鑽に務め伸展をはかることで己を立てる。
己とは会社そのものであり、会社を構成する社員個々であります。
共に、社会的、経済的地位を向上させようと考えるのであります。
2.経営理念
①会社にまつわるすべての者の要望に応える
②会社の永劫の存在をはかる
3.経営基本方針
①民主経営で行く
②会社を私物化しない
③計画経営に徹する
更なる成長を目指したグローバル化
製造業である以上、開発と生産、販売が一体とならなければバランスの良い経営ができません。創業者である古泉栄治さんは、齋藤昭三博士との出会いでオープンテクノロジーにより、科学的見地を得て発想と開発を行ったそうです。
そのような中、金融機関からの国内の少子高齢化の指摘、そして、大手商社からはアメリカで米菓を売りたいと相談もあり、マーケットインによるフォーカス開発ということで海外進出をスタートしたそうです。途中パートナー企業の離反もあり、海外事業について社内で継続反対の声もあったようですが、古泉氏は、メーカーは地域に根付いてしっかり説得すべきという考えで事業を継続の判断をしたそうです。
これも国内の縮小するマーケットを見据え、経営理念にある「会社の永劫の存在をはかる」という理念の実現のために考え、判断したものと思います。
全ては経営理念の実現のため、そこがベースにあり成長を続けられたのだと思います。
まとめ ~中小・中堅企業が取り入れるべきこと~
亀田製菓の成功は、創業の理念を貫き、時代の変化に対応しながら、持続的な成長を遂げてきた結果です。中小・中堅企業も、自社の強みを活かし、時代の変化に対応することで、新たな成長の機会を掴むことができます。
ポイントは、
- 自社の強みを明確にする
自社の強みを活かした製品やサービスを提供することで、競合との差別化を図りましょう。 - 顧客との関係構築
顧客との信頼関係を築き、長期的な視点でビジネスを展開しましょう。 - 人材育成に力を入れる
社員一人ひとりの成長を支援し、組織全体の力を高めましょう。 - 変化を恐れない
時代や環境の変化に対応するためには、常に新しいことに挑戦する姿勢が大切です。
亀田製菓の事例を参考に、自社の成長戦略を立て、未来に向かって進んでいきましょう。
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