組織の会話のズレは「意図」と「前提」のズレ

同じ言葉を交わしていても、なぜかすれ違う。ビジネスシーンで、こんなお悩みはありませんか?
「会話が噛み合わない」
「相手から届いたメールやチャットの意味が分からない」
「思っていたものと違う納品物が届いた」
「相手が何を考えているのか分からない……」。
実は、その原因は「意図」と「前提」のズレ。組織における誤解や摩擦の多くは、ここから始まっているのです。
でも、一体どうしたらいいのでしょうか?一緒にヒントを見ていきましょう!
「意図」と「前提」とは何か
まずは、両者の言葉の意味を理解しましょう。
意図:物事を行うときに内心で考えていること。行動の目標としていること。
前提:ある物事が成り立つために必要な条件。推理する時に結論を導き出す根拠となる命題。また、その人が置いている背景知識や状況のこと。
例えば、上司が部下に「この資料早めにまとめておいて」と伝えた場合。
この上司の意図は、「3日後の会議までに仕上げてほしい」というものだとします。
一方で、受け取る部下側が「早め=1週間以内程度」という前提の場合、3日後の会議に間に合わず手遅れになってしまいます。
他にも、仲間にただ話を聞いてほしい前提で愚痴をこぼしたのに、相手から求めてもいないアドバイスを受けたら嫌な気持ちになるもの。これも、話し手の前提は「ただ愚痴を聞いてほしい」、聞き手の前提は「話を聞いたらアドバイスをするべきだ」という、前提の違いから生じています。
このように、言葉自体はシンプルでも、意図と前提がずれていると双方の理解は大きく食い違ってしまうのです。
なぜ組織でズレが生じやすいのか
組織は、様々な職種・役職・価値観を持った人の集合体です。
背景・経験・立場が異なれば、当然「何を常識とみなすか」という前提も変わります。
例えば、営業部と開発部では優先順位や時間感覚がまったく違います。
営業にとっては「顧客への即レス」が当然でも、開発にとっては「品質を守るための慎重な検討」が当然です。
ここで「早く対応して」と言ったとしても、その言葉が指すスピード感は一致しません。
また、組織内の役割や上下関係もズレを助長します。上司は自分の意図を「言わなくても伝わるだろう」と省略して話しがちですが、部下は上司の言葉を「額面通りに受け取らなければならない」と思っています。
さらに、経営者である社長と、自らの生活のために仕事している社員では、そもそも仕事に対する前提が異なるので、様々な場面でズレが生じるのです。

ズレがもたらすもの
「意図」と「前提」のズレが放置されると、仕事の成果のクオリティが落ちるだけでなく、組織内の心理的な摩耗を引き起こします。日常的な「相手が理解してくれない」という不満は「自分の努力が正しく評価されない」という不信感につながり、やる気の低下や離職につながってしまいます。
逆に、「意図」と「前提」をすり合わせる習慣が根づけば、組織内の会話は滑らかになり、協働のスピードも成果物のクオリティも上がります。
ズレを防ぐための工夫
会話のズレを完全になくすことはできませんが、対話をする際に以下を心掛けることで、「意図」と「前提」のギャップを小さくすることは可能です。
1.「意図」を明確に言語化する
自分の伝えたいことの最終ゴールを、解像度高く伝えます。
・「何を」してほしいのか?
・「どの程度」を期待しているのか?(7割程度なのか、10割程度なのか)
・「いつまでに」なのか?(●月●日●時まで)
具体的に伝えることで、受け手の解釈の幅を狭められます。
2.お互いの「前提」を確認する
自分以外の人間は全員「自分とは前提が違う」という前提を持ちましょう。
「早めに」と依頼されたら「いつまでを想定していますか?」と確認したり、伝える際に「今週金曜の会議までに」と補足したりしましょう。
「そもそも前提として~」を組織全体の口癖にしましょう。
3.“確認することは良いこと”を組織文化にする
部下は「聞き返すと失礼ではないか」と感じてしまいがちですが、それでは前提のズレは放置されてしまいます。
上司は常に「確認してくれてありがとう」というマインドを持ち、徹底して確認することこそプロフェッショナルという文化を根付かせましょう。

まとめ
組織の会話が噛み合わないとき、私たちはつい「相手の言い方が悪い」と考えがちです。しかし、会話のズレの原因は「意図」と「前提」のズレ。小さな確認や補足を当たり前の文化にすることで、日々の業務を円滑にしていきましょう。
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